【完】俺のこと、好きでしょ?



あたしはとりあえず、慣れない図書室のため、有馬くんのあとに続いてついて行く。



彼は古びた木造の本棚から大きな資料みたいなものを何冊か手に取ると、足早に端っこの席に座った。



あれ……なんか今、早歩きで避けられた?



それは考えすぎか……と、あたしは有馬くんの隣の席に着く。




「……なんで隣に座るの」



「え、ダメ?」



「…………」



そう聞くと、有馬くんは無言のまま、積まれた本の中から1冊を手に取ってページをめくった。



そこには、色とりどりの色彩が溢れていた。



「あ、もしかしてこれ、画集? すごいキレイだね」



覗き込んで声をかけると、有馬くんが鬱陶しいそうに口を開いた。



「あのさ、用がないなら帰ったら?」



「用ならあるよ。 有馬くん、何してるのかなって思って」



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