【完】俺のこと、好きでしょ?
有馬くんは、腕時計を見て時間を確認する。
「まだこんな時間か……」
そして、おもむろにあたしの手をつなぎ直すと、小走りに近くのコンビニに駆け込む。
若干濡れた髪を気にしつつも、ビニール傘を1本だけ購入していた。
……水も滴るいい男……。
濡れてしまったせいで、いつものクールさに重ね、色っぽさまで追加された有馬くんに、胸がドキドキとした。
なんか本当に、写真集とかに載ってそうだなぁ。
ドア付近でそんなことを思いながら見惚れていると、有馬くんはツカツカとこちらへやって来る。
「今日の予定は変更。やっぱ途中まで傘使う。だけどすぐ着くから、1本でいい?」
「え?あ、うん」
あたしがあまりにも目を丸くしていたせいか。
有馬くんは、怪訝そうに首を傾げた。