【完】俺のこと、好きでしょ?
有無を言わせぬ強引さで、ラフなTシャツと半ズボンのジャージを押し付けた有馬くん。
「風呂場はここ」
そして現在、有馬家の脱衣所に至る。
「あ、有馬くんは入らなくていいの? 有馬くんも濡れてるし、先に入った方がいいんじゃ……!」
「なら、一緒に入る?」
「っ!!!!?」
有馬くんのからかいじみた甘い声に、目をこれでもかってくらい見開いて硬直してしまった。
顔がみるみるうちに熱くなっていく。
「冗談だよ。でも、あんたがいつまでも入らないって意地張るなら、本当にしてあげるけど」
笑いながらそう言う有馬くんの言葉が、真実か嘘かわからなかったから、あたしはおとなしく降参したのだった。