【完】俺のこと、好きでしょ?
あたしの言葉に少し驚いた顔をする有馬くんは、そのまますぐ呆れ顔になりため息をついた。
「はぁ……。図書室で本を読む以外に、何かすることってあるの?」
「そ、そうですね……」
美術室のときも同じようなこと言われたけど、明らかに有馬くんの口ぶりからそのときより呆れられてる気がする。
「やっぱりあたし、邪魔かな? 普段、本なんて読まないヤツがこんなところに来るなんて」
やっと返せた言葉が、それだった。
すると、有馬くんからは思いもよらない返事がかえってくる。
「……別に。ここは俺の場所じゃないし、あんたが決めたら?
本を読まなくても、本人がいたいって思うならいてもいいと思うし」