【完】俺のこと、好きでしょ?
「あつい……。有馬くん、もしかして熱あるんじゃない?」
「……ない」
力無さげに否定して、ゆっくりと抵抗するように起き上がる。
だけどすぐにでも力が抜けそうなほど、支えてる手が弱々しかった。
「だってこんなに熱い……。もしかして、あたしが先にお風呂に入って雨で濡れたままでいたから……」
「それは違う。あんたのせいじゃない。朝からちょっとだるかったし」
ふるふると首を振って否定する有馬くんが、すぐに何かに気がつき「あ」とつぶやいた。
その顔は、〝しまった〟というような顔をしている。
朝からだるかった……?
「有馬くん、今日、体調悪かったの?」
「…………」
出た。
有馬くんの必殺、自分の状況がまずくなったら無言になる攻撃。
でもそれは、彼の肯定を意味する。