【完】俺のこと、好きでしょ?
「有馬くん。とりあえず安静にして、今日はゆっくり休もう?あたしが看病するから」
「……いい。雨止んでるし、あんたは今のうちに帰って。俺の熱がうつる前に」
「さんざん今まで一緒にいたのに、そんなの今更だよ。それにあたし、体力は自信あるから大丈夫」
「…………」
言い返すと、有馬くんはおとなしく顔をうずめながら、何も反応を示さない。
……あ。もしかして……。
「ゆっくり休むなら、あたしがいない方がいいかな?邪魔ならすぐに帰……」
ギュッ。
「……帰るの?」
「えっ?」
うずめていた顔が、甘えるように上目遣いであたしを見つめる。
「やだ。やっぱり、いてほしい」
駄々をこねる子供みたいな言い方が可愛いすぎて、あたしは目を見開いてかたまってしまった。
「……ダメ?」
捨てられた子犬みたいな目で見つめるなんて……反則すぎる。
「ダメじゃない……です」
彼の甘える攻撃に、あたしの顔は熱くなった。