【完】俺のこと、好きでしょ?
隠れオオカミの本性
「……ん……」
どのくらい時間が経ったのか、目を開けると部屋に明かりがついていた。
はっ!うたた寝してしまった……!!
「目、覚めた?」
顔をあげると、ベッドの上でスケッチブックを手にしている有馬くんが、あたしを見つめていた。
……何か描いてたのかな?
あ、顔色がいい。熱、さがったのかな?
「ごめん、寝ちゃってた。起こしてくれてよかったのに……」
「俺もさっき起きたところだし、あんたの寝顔見てるの面白かったから。
それより、もうこんな時間だけど、大丈夫?」
面白いって……と思いつつ、時計を見ると、短い針が8をまわろうとしていた。
わ、もうこんな時間だったんだ。
言われてみれば、窓の外はもう暗くなっていて、夜空には大きな満月がひとつと、その周りには星が散らばっていた。