【完】俺のこと、好きでしょ?
「そう、オオカミ男」
「……っ!」
甘い声に、ドキリと心臓が高鳴った。
「油断してると、俺に喰われるよ?」
喰われる。
その獣じみた言葉を理解するのに、そう時間はかからなかった。
「なんで赤くなってるの?自分から仕掛けてきたくせに」
「ちが……っ」
「あんまり俺を煽らない方がいいよ。これでも結構、我慢してるから」
近づく距離に驚いて、咄嗟に少し距離を取ろうとしたが、有馬くんはそれを阻む。