【完】俺のこと、好きでしょ?
――ドサッ。
……え。 ど、どどど、どうしよう!?
こんなはずじゃなかったのに、なぜかあたしは有馬くんにのしかかられていた。
自分で招いた出来事なのに、計算外の状況になってしまい、ドキドキが止まらない。
顔が近すぎる……!
見つめる有馬くんの視線から逃れられず、やがてゆっくりと近づいてくる唇が、そっとあたしの唇を塞いだ。
「……んっ……」
有馬くんの優しいキスに、なにも考えられなくなる。
「顔、真っ赤。あんたの負け」
「〜〜〜!!」
唇が離れ、ニヤリと勝ち気に微笑む有馬くんに、あたしは彼には敵わないということを思い知った。
「まだダメ。こっち向いて。手、引っ張ったお返しだよ」
どちらとも離れるタイミングを逃し、しばらくあたし達は、秘密の甘い時間に浸っていたのだった。