【完】俺のこと、好きでしょ?
「あ、そういえば……」
あたしは有馬くんに、梓にはあたし達が付き合ってることを報告した旨を伝えた。
梓はなんとなく気がづいていたようで、報告したときそこまで驚かなかった。
「いいんじゃない。あんたの大事な友達なら、言っても」
「うん。よかったねって言ってくれたよ」
「そ」
有馬くんは、そのままキャンバスに向き直り、あたしの絵の続きを描いていた。
沈黙でも、全然気まずいとはなくて。
このおだやかな時間が、ずっと続けばいいのに、なんて。
そんなことを思ってた。