【完】俺のこと、好きでしょ?



彼のチャラ具合に若干戸惑っていると、後ろから石原くんが「葉山、誰こいつ?」と耳打ちしてきた。


あたしも、一度会ったことがあるだけとコッソリ説明したが、朝霧くんは地獄耳なようで。



「へえ〜葉山って言うんだね。下の名前はなんていうの?
俺、本当にあのとき困ってたから助かったよ。てか、実行委員で再会とか運命じゃない?」



ちゃ、ちゃれ〜!!


あのときオタオタしていた彼のイメージが崩壊しつつある。



「朝霧くん、早く席について!もうすぐ始まるよ!」


「お、悪い悪い!じゃ、またね葉山ちゃん」



同じクラスの委員の子に声をかけられ、しぶしぶ席に着く朝霧くんに、あたしは安堵の息を漏らした。



まさかこんなところでまた出会うなんて……。



あんまり深くは関わりたくないタイプの人かも。



ひっそりとそんなことを思いながら、あたしも石原くんと席についた。



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