【完】俺のこと、好きでしょ?



「あーもー、3年生うるせーよ。ピーピー言ってねぇで最後くらい委員会の仕事も楽しめって」



実行委員会を担当している先生が、揉めている3年生に訴えかける。


それは助け舟……とは、言い難い。



「でも先生!この時期に創立祭って、本当にあたし達切羽詰まってて余裕ないんだよ!?」



「そうだよ。別に好き好んでやりたいわけじゃないし。もうすぐ模試だってあるし」



そういえば、あたしは去年も創立祭の実行委員をしてたけど、そのときの3年生もピリピリしてたな。


忙しい時期だから、仕方ないよね……。



しばらく考えた末、あたしはゆっくりと手を挙げた。



「あの、先生。あたしでよかったら買い出しします」



みんなの視線が、一瞬であたしに集まったのがわかった。



「葉山、いいのか?」



「はい。先輩方は忙しい時期なので、できることはあたし達でカバーしていきたいです。
あたしなら手が空いてるので、問題ありません」



「そうか。そういえばお前は去年も実行委員をやってたから、仕事もわかってるよな?」



「はい」


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