【完】俺のこと、好きでしょ?



「先輩、この人は……?」



「ああ、俺の彼女」



「「えっ!?」」



有馬くんの言葉に、あたしも女の子と同じように驚いた声をあげる。


すると、女の子はなぜあなたが驚く?というような視線をあたしに投げかけてきた。



「彼女でしょ? なに驚いてんの?」



「あ、ごめん。急すぎて……」



ドキドキとする胸を落ち着けながら、あたしは
言い訳を見つける。


有馬くんはさほど気にしてない様子で、あたしに委員会のことを尋ねてきた。



「もう実行委員は終わったの?」



「うん。それで、教室にカバンがあったから持ってきちゃって……」



「そっか。じゃあ俺も今から片付けてくるから、待ってて」



……え。


じゃあ、一緒に帰れるの……?



嬉しさのあまり、笑みがこぼれそうになった。けれど、すぐにそれは阻まれることになる。



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