【完】俺のこと、好きでしょ?
翌日。
「葉山先輩」
朝、登校してすぐに玄関で上靴に履き替えていると、突然名前を呼ばれた。
昨日とデジャヴ……と感じたのも束の間、相手は昨日有馬くんと一緒にいた後輩の女の子、ヒタナちゃんだった。
「えっと……はい?」
呼ばれたの、あたしだよね?
おそるおそる返事をすれば、バッと顔を勢いよくあげ、ヒナタちゃんはあたしを睨む。
「あの、今後はあまり有馬先輩と関わらないでくれませんか?」
「……え?」
「葉山先輩のせいで、有馬先輩が絵に集中できてない気がするんです。実際、昨日も結局早く切り上げてしまったし……」
昨日のことを思い出し、悔しそうな顔をするヒナタちゃんに、胸がズキリと疼いた。
あたしのせいで……。