【完】俺のこと、好きでしょ?
……顔が、赤い?
なんでだろう?別に炎天下の中にいたわけでもないのに。
ぼんやりとした頭の中で原因を考えてみても、全然思い当たる節がない。
ていうか、なんか頭痛い。思考回路が回らない……。
「美月ちゃん?」
朝霧くんの呼ぶ声が、どこか遠くに聞こえる。
自分の五感がおかしくて、顔を上げてみれば、なんだか朝霧くんの顔が霞んで見えた。
……あ、まずい。
そう思ったときには既に遅くて、あたしは全身の力が抜けるようにその場に崩れ落ちた。
「美月ちゃん!!」
咄嗟に誰かが支えてくれたけど、もう目を開ける元気はなくて。
「葉山っ!?」
「美月!」
石原くん……梓……?
周囲が驚きと戸惑いでザワザワとしている音を最後に、あたしは意識を手放した。