【完】俺のこと、好きでしょ?
「一旦落ち着こう、有馬くん。まず、どうして有馬くんがここにいるの?なんでベッドで寝てるの?説明して?」
「まず俺の質問に答えるのが先。朝霧って誰?そいつがあんたを、ここに運んできたの?」
ダメだ。
有馬くんの1つの質問に対する執着がすごい。
これはまず、状況を理解するためにもあたしから説明した方が良さそうだ……。
「朝霧くんは一緒に実行委員をしてる人だよ。去年、有馬くんと同じクラスで席が前後って言ってたけど……」
「あっそ。で、そいつがあんたをここに運んだの?」
去年の2人の関係まで説明したというのに、テキトーにあしらわされて次の質問に切り替えられた。
「うん。あたしが、朝霧くんの前で倒れちゃって、そのまま運んできてくれたの」
「…………」
ちょっと不服そうな表情のまま、有馬くんはあたしの髪を一房取り、指に巻きつけた。