【完】俺のこと、好きでしょ?
後頭部に有馬くんの手が回り、そっと胸に引き寄せられた。
「それに、いっそもう見られてもいい」
トクン……っと、鼓動が早くなるのを感じる。
有馬くんが意地でもベッドで寝転んでるのなら、あたしが出て行こうと思ったが、それもどうやら無理そうだ。
腰に回る手がギュッと、あたしを抱きしめて離そうとしない。
「何もしないから」
「……何も?」
「その……付き合ってるやつらがするようなこと……」
わざわざ口に出して恥ずかしがってる有馬くんが可愛くて、ニヤけそうになる。
「抱きしめるのって、付き合ってるやつらがするようなことに入るんじゃないかな?」
「……これは別。あんたが眠れるためにしてるから」
あまりニヤニヤを隠せてなかったみたいで、有馬くんはムッとしながら言い返した。