【完】俺のこと、好きでしょ?
すれ違う心
「美月、大丈夫?」
「ふぇっ!? 」
「さっきから、ずーっとぼんやりしてるけど」
うう、またか……。
それ、さっき石原くんにも同じこと言われたよ。
あたしはどうやら、昨日から今日1日中ずーっとこんな感じだったらしい。
梓にもバレバレなくらい、ボーッとしているようだ。
まあ、当然その理由は有馬くんとのことが原因だけれど。
「創立祭、もう明日なのに」
「ごめん。ちゃんとします、ちゃんと!」
「あーでも、うん。美月、気をつけたほうがいいよ?」
「えっ?」
梓の意味深な言葉に首を傾げると、梓は少し気まずそうな顔をした。
「あたしの後輩が、有馬くんのことを狙ってるっぽい。最近、美術室で一緒に絵を描いてるうちに惚れちゃったんだって」