【完】俺のこと、好きでしょ?
「……あたしのワガママで、有馬くんの邪魔なんてできないよ。それに、ヒナタちゃんといることで有馬くんが絵に集中できるなら、そっちのほうがいいに決まってる」
……そうだよね?
あれ?あたし、自分に言い聞かせてる……?
自分の心に問いかけてみるも、もちろん容易に答えなんか見つかるはずがない。
だけど、梓は鋭い言葉であたしに言い返してきた。
「なにいい子ぶってんの?」
「えっ?」
まるで、咎めるような言い方に、あたしは驚いて梓を見つめた。
その表情は、どこか不服げで、あたしはうまく言葉を返すこともできない。
いい子ぶる?
そんなんじゃない。
そんな言い方しなくてもいいのに……。
あたしのそんな思いが伝わったのか、梓はどこか悟ったように口を開いた。