【完】俺のこと、好きでしょ?



再び頷くと、梓は満足そうに微笑んだ。



「しっかし、美月が取り乱す姿なんて初めて見た。泣くなんてもってのほかだよ。驚いちゃった」



「だ、だって……」



確かに今まで梓に……ていうか、ほぼ誰にも涙なんて見せたことがないのに、こんな風に取り乱すなんて珍しい気がする


なんか、恥ずかしいな……。



「あたしは嬉しいよ。ようやく美月が他人のことだけじゃなくて、自分のことで手がいっぱいになってる姿を見れて」



「……梓……」



「美月の他人をほっとけないとこ、嫌いじゃないよ。でも、もっと自分のために精いっぱいになってあげなよ」



「……ありがと」



「どういたしまして。それと、あたしは絶対、有馬くんは美月のこと大事にしてると思うよ?」



「え……なんで?」



「なんとなくだよ。あたしの勘」



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