【完】俺のこと、好きでしょ?



「美月先輩?」



途方に暮れてると、背後から声がかけられる。



「……ヒナタちゃん」



振り返ると、そこには友達だろうと思える子と一緒に回ってるヒナタちゃんがいた。



「どうしたんですか?
こんなところに用なんてないでしょう?」



「……え?」



「だって、有馬先輩は絵を展示するの、やめたんですから」



刺々しい言葉。


まるで吐き捨てるようにつぶやかれた言葉に、あたしはより一層戸惑う。



「ど、どういうこと? 有馬くん、絵が完成できなかったんじゃなくて、わざとやめたの?」



「……え、何も知らないんですか?」



弾かれるように顔を上げて、驚いた瞳をあたしに向けるヒナタちゃん。



……何?


あたしは何も知らない。ヒナタちゃんは何を知ってるの?


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