【完】俺のこと、好きでしょ?
ぼんやりとそんなことを考えながら、有馬くんの姿が見えなくなったところで、あたしはゴミ袋を結び終えたクラスメイトに声をかける。
「それ、あたしが代わりにやっとこうか?」
「え、いいの!?」
「いいよー、どうせ暇だし」
「ありがとう!おかげでバイト間に合いそう!」
別にお人好しになりたいワケじゃない。
だけど困ってる人がいたら、つい助けてあげたくなる性格というか……。
いや、それはあまりにも良く言いすぎた。
人に嫌われるのが怖い、ただの八方美人なだけなのです。
「じゃあねー!」
「うん、バイバイ」
……と、いうワケで。
今日は特に用事もなかったが、ゴミ捨ての子が困っていたみたいなので、あたしが急遽代わることになった。