【完】俺のこと、好きでしょ?
「こんな風に迫られてたよね?いったいどういうつもり?」
おでことおでこをくっつけるようにして、あたしの目を覗きこみながら咎めるように問いただす。
そんな状況ではないとわかっているのに、あまりの近さに、あたしの胸は破裂しそうなほど強く鼓動を打った。
「あ、あれは……ちょっと話があるって言われて……」
この現状をどうにかしようと、うまい言い訳を考えてみたけど、有馬くんの体がぴったりと密着していて思考がうまく働かない。
そのうえ、身動き1つ取れない。
「俺も話があるって連絡したのに、俺は無視で、あいつはいいんだ?」
あ、拗ねてる。
それがわかるくらい、珍しく有馬くんはわかりやすくいじけていた。