【完】俺のこと、好きでしょ?
「ち、違うの有馬くん!あたしもちゃんと、有馬くんと話したいって思ってたんだけど……。
有馬くんに会うの、ちょっと怖くて……」
「は? なんで?」
有馬くんの眉がピクリと動く。
うう、これは非常に言いにくい……。
「……も、もしかしたら、もう嫌われちゃったかもって、怖かったの。こないだ、保健室出て行く時、有馬くん、あたしに怒ってたみたいだったから……」
実際に口にすると、どこか言い訳じみていて、あたしの声は尻すぼみになってた。
〝あんた、なんにもわかってないよ〟
背中を向けられ、そう言われたあの日。
それから、あたしは有馬くんと話せてなくて……。
有馬くんが由紀ちゃんとふたりで帰ってたと思い込んでたから……あたしは別れを告げられる気がしていた。