【完】俺のこと、好きでしょ?
「あれは違う。あんたが、自分のこと邪魔とか言うから……ちょっとムカついて、意地悪言っただけ……」
ばつが悪そうに、目を横に流しながら渋い顔をして饒舌に言う有馬くん。
「あんた前に、俺に自分のこと卑下しないでとか言ってたクセに、自分はどうなんだよ?
前に言ったよね?あんたは俺の原動力なんだって」
言ったよ。それに、ちゃんと聞いてた。
でも……。
「有馬くん、最近ただでさえ忙しいのに、あたしがワガママ言ったらもっと困るかなって思って……」
「逆だよ、バカ。いつも物分かりのいいこと言ってないで、たまには俺を困らせてみなよ。もっと、俺のこと欲しがって」
問い詰めるように、迫り来る有馬くん。
彼との距離は0に等しく、吐息が直に唇にかかる。
全身が熱くなっていくのがわかった。