【完】俺のこと、好きでしょ?
「じゃあ、とりあえず誰か来るまで待とっか!」
気分をあげるために、できるだけ明るくあたしはそう提案した。
だけど有馬くんの表情は、いまだに浮かないまま。
「誰かって……こんなとこに誰かくるの?」
「大丈夫だよ!きっと見回りの人が来てくれるって!」
旧図書室と言っても、閉館はしてないんだ。
だったらきっと、今日中に先生か警備の人でも来てくれるはず。
今は、それを信じるしかない。
「それにちょうど良かったよ。あたし、この冊子早く終わらせなきゃいけなかったから。
運が良ければ今日中に終われそう!」
ピンチはチャンスって、こういうことを言うのかな?
我ながら、ポジティブな発想に気分があがってくる。