【完】俺のこと、好きでしょ?
「でもまぁ、無責任だったと思う。ごめん」
「そんなの、全然……」
気にしてないのに。そう言う前に、有馬くんが言葉を紡ぐ。
「絆創膏……」
「え?」
「絆創膏、美術室であんたにもらったやつあるじゃん」
それは、あたしが初めて有馬くんとまともに話したとき、画板の下敷きになって怪我をしてた有馬くんに貼ったやつ。
見ると、怪我していたはずの腕は、今ではすっかり治っていた。
「あのとき、うまく言えなかったけど……なんか一応、助かったから。
だから、あんたが困ってるんなら助けたいって思った」
「……有馬くん……」
……あぁ、もうダメだ。
これは、認めざるを得ない。
なによりもの証拠は、この胸の鼓動。
さっきからずっと、ドキドキと騒がしい。