【完】俺のこと、好きでしょ?
……あたし、有馬くんのことが好きだ。
「……結局、なんで泣いてたの?」
「え?」
「さっき、泣いてた理由はこれじゃないって言いかけてたから」
そう言って、有馬くんは作りかけの冊子を指差す。
……うん。
泣いてた理由は、冊子を一人でやってるのがしんどいからではない。
きっと、理由はさっき自覚した気持ちのせい。
有馬くんのことを思い出すと、胸がキューっと苦しくなって、意味もなく泣きたくなる。
だけど、それを有馬くんに言えるはずなかった。
……だって、どっちみち失恋決定じゃん。