【完】俺のこと、好きでしょ?



虚をつかれたかのように呆然としてる有馬くんに、あたしは走って近づくと、



「隙あり!」


「うわっ」



ボールを奪い取った。



そのままゴールに向かって走っていくと、タイミングを見計らって1、2、3歩とジャンプシュートをきめる。


小さな弧を描いたボールは、キレイにゴールに吸い込まれた。



「やった! ほら、あたしが勝ったから、有馬くんはあたしを避けるの禁止ね!」



振り返ってそう言えば、有馬くんが問い返した。



「……なんで?」



「えっ?」



「あんたはクラスでも人気なんだし、俺といたら変な目で見られるだろ?
俺、気の利いた話とかできないし。それなのに、なんで?」


< 85 / 462 >

この作品をシェア

pagetop