【完】俺のこと、好きでしょ?
真面目に、本気で、何故なのかわかっていない有馬くん。
どうしてわからないんだろう。
「あたし、有馬くんと一緒にいると楽しいよ」
「…………」
「無愛想な人なんだろうなって思ってたけど、意外に面白いし、優しいし。
だから、それをみんなにもわかってもらえたら嬉しいなって」
ジッとただ一点、こちらを見ている有馬くんに、続きの言葉を紡ぐ。
「今度の球技大会で、クラスに貢献しようよ!
バスケでみんなをギャフンと言わせてさ!練習、あたしも協力するから!」
……どうだ……!?
「ははっ」
有馬くんは、吹くように笑った。
瞬間、胸がドキッとする。
「俺といて楽しいとか言う人、初めて見た。
あんたって、変わってるね」
うぅっ。その無邪気な笑顔は反則だ……。