桜舞う季節
さっきの男を倒せたと思うと体の力が一気に抜けた。


怖かった。

助かったんだよね。



すると

人混みのなかから数名の男達がさっきの男を連れて行こうとしている。

何か言っているみたいだけど。

少しずつ、
鈍い頭痛が大きくなって、意識が飛びそうになる。





「君がさっきの男倒したの?」



途切れ途切れに聞こえる声
顔が光に反射してよく
わからない



「わ…から…………い」


言葉が上手くでない。


男は、少し迷ったかのように
私の手を引いて何処かに連れて行こうとした。







(私男の人に触られて…る、




やだ

やだ
やだ
離して)





また、あの日を思い出してしまう


精一杯
声を振り絞った。

「離して‼︎‼︎はぁはぁはぁ」


「喋れるんじゃないか?君さ」


「お願い…だか、ら。触らない


そこで意識が途切れた。









“生きていたいと思うなら戦いなさい。自分と”








誰だろう
話し声が聞こえる。












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