夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
「でもさやっぱりこのメンバーの方が楽しくてさ」

「そうそう!」

「それに文化祭シーズンは部活中止じゃん?
そんなの耐えられないでしょ!?」

「泳げないんだよ!?」


先輩たちの言葉に私は納得した様に口を開いた。


「だから出し物が“水球”なんですか?」

「そうに決まってんだろ?
水球にすれば練習と称して泳げるし!」


高岡くんは私の肩を叩きながら笑う。
この男は軽く叩くということが出来ないのか。
力が強すぎて肩が壊れる、そう思うくらい痛かった。
それにしてもこの人たちは本当に水泳が好きなんだな。
そう思えば自然に笑顔が零れる。


「何笑ってんだよ!?」

「べつに~みんな水泳馬鹿だなって思っただけ」


私が言えば皆は立ち上がり次々に口を開く。


「真希ちゃんだけには言われたくない!」

「水泳馬鹿は真希ちゃんだから!!」

「ってかやる気なさそうだけど泳げなくてもいいの!?」


先輩たちの集団攻撃に後ずさる。
だけどそのひと言にピクッと体が揺れた。
そういえばそうだ。


「よくないです!!」


水泳大好きな私が耐えられる訳がない。
文化祭のシーズンに泳げないなんてあり得ない。
ってな訳でまんまと高岡くんや先輩たちの思惑に引っかかり私は部活のメンバーで文化祭に参加する事になった。
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