夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
気が付いた恋心
時は流れ今日は文化祭の日。
お祭りムードに包まれた学校はいつもより騒がしかった。
文化祭が始まって数時間。
隣には当たり前の様に高岡くんがいた。
部活の出し物まで時間があるし2人で見て回る事になったんだ。
ほぼ強制的に。
「冴えない面してないで行くぞ!!」
半ば強引に私の手を引っ張る彼。
せっかくだから楽しまないとね。
高校の初めての文化祭に私もテンションが上がっていた為、気にする事無く高岡くんの手を握り返して歩き出す。
2人で色々見て回っていると女子生徒の大群が視界に映った。
何事かと思い、その中心に目を向ければそこには先生がいた。
先生は優しく女の子たちに笑いかけている。
なんか、別世界って感じだな。
いつもはあんなに近くにいるのに。
先生が見てくれているのは私なのに。
今は凄く遠くに感じる。
「高瀬……?」
「……」
私がいつまでたっても歩かない事を不思議に思った高岡くんが話しかけてくれている。
でも私は答える事が出来なかった。
言葉が出ないんだ。
なんとも言えない胸の痛みが私を支配していた。
「蒼井先生!次はアタシのクラスに来て!!」
「何言ってるのよ!次はワタシよ!!」
皆で先生を取りあいしてる。
そんな光景が私の胸をチクリと刺す。
「……高瀬……」
辛そうな高岡くんの声に私はハッとした様に彼を見る。
「ごめん!何でもない!次どこ行く?」
明るく振る舞おうと口角を引き上げた瞬間
私の頬に違和感を感じた。
頬を濡らす様に私の瞳から涙が溢れ出ていた。
「あれ……どうしたんだろ……。
目にゴミが入ったのかな……」
涙を拭いながら私は明るく声を出す。
何で涙なんか出るのよ。
私は何でこんなにも哀しいのよ。
理由は分からない、分からないのに。
次から次へと涙が溢れ出てくる。
高岡くんには心配を掛けたくなくて無理やり笑ったけど。
でもそんなものは高岡くんには通用しなかった。
「……無理して笑わなくていいから」
そう言われたと同時に私の体は抱きしめられていた。
「た……高岡くん!?」
「泣きたい時は泣けよ」
咄嗟に彼の胸板を押し返すけど高岡くんは私を離す事なく抱きしめ続けていた。
人がたくさんいる廊下の真ん中。
恥ずかしいし、すぐに離れなければいけない。
頭では分かっているのに。
「弱音くらい吐けよ。俺がいくらで受け止めてやる」
彼の言葉が、抱きしめてくれる力が、あまりにも優しくて。
「高岡くんっ……」
私は彼の胸に抱き着きながら声を押し殺して泣き続けた。
お祭りムードに包まれた学校はいつもより騒がしかった。
文化祭が始まって数時間。
隣には当たり前の様に高岡くんがいた。
部活の出し物まで時間があるし2人で見て回る事になったんだ。
ほぼ強制的に。
「冴えない面してないで行くぞ!!」
半ば強引に私の手を引っ張る彼。
せっかくだから楽しまないとね。
高校の初めての文化祭に私もテンションが上がっていた為、気にする事無く高岡くんの手を握り返して歩き出す。
2人で色々見て回っていると女子生徒の大群が視界に映った。
何事かと思い、その中心に目を向ければそこには先生がいた。
先生は優しく女の子たちに笑いかけている。
なんか、別世界って感じだな。
いつもはあんなに近くにいるのに。
先生が見てくれているのは私なのに。
今は凄く遠くに感じる。
「高瀬……?」
「……」
私がいつまでたっても歩かない事を不思議に思った高岡くんが話しかけてくれている。
でも私は答える事が出来なかった。
言葉が出ないんだ。
なんとも言えない胸の痛みが私を支配していた。
「蒼井先生!次はアタシのクラスに来て!!」
「何言ってるのよ!次はワタシよ!!」
皆で先生を取りあいしてる。
そんな光景が私の胸をチクリと刺す。
「……高瀬……」
辛そうな高岡くんの声に私はハッとした様に彼を見る。
「ごめん!何でもない!次どこ行く?」
明るく振る舞おうと口角を引き上げた瞬間
私の頬に違和感を感じた。
頬を濡らす様に私の瞳から涙が溢れ出ていた。
「あれ……どうしたんだろ……。
目にゴミが入ったのかな……」
涙を拭いながら私は明るく声を出す。
何で涙なんか出るのよ。
私は何でこんなにも哀しいのよ。
理由は分からない、分からないのに。
次から次へと涙が溢れ出てくる。
高岡くんには心配を掛けたくなくて無理やり笑ったけど。
でもそんなものは高岡くんには通用しなかった。
「……無理して笑わなくていいから」
そう言われたと同時に私の体は抱きしめられていた。
「た……高岡くん!?」
「泣きたい時は泣けよ」
咄嗟に彼の胸板を押し返すけど高岡くんは私を離す事なく抱きしめ続けていた。
人がたくさんいる廊下の真ん中。
恥ずかしいし、すぐに離れなければいけない。
頭では分かっているのに。
「弱音くらい吐けよ。俺がいくらで受け止めてやる」
彼の言葉が、抱きしめてくれる力が、あまりにも優しくて。
「高岡くんっ……」
私は彼の胸に抱き着きながら声を押し殺して泣き続けた。