夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
「大丈夫ですか?」

「せ、先生!?」


優しい声に導かれる様に見上げれば先生の顔が目に映る。
それだけじゃなくて、密着する体が私の心臓をおかしくさせた。
私が倒れない様に先生が抱き留めてくれた。
それは分かるけれど、こうもいきなりだと心の準備が……。
オロオロとする私をよそに原田選手の不敵な笑い声が後ろから聞こえてきた。


「じゃあ、邪魔者は退散をするか!」


私の気持ちを見透かしたかの様に原田選手は怪しく笑っている。
恥ずかしくなった私は先生の腕を掴みながらその羞恥心に耐えていた。


「高瀬さん?」

「イチャつくのは後にしろって」

「原田くん」

「はいはい、じゃあまたな」


原田選手の足音が遠ざかって行く。
もう完璧に聞こえなくなったけれど、私の頬から熱は冷める事はなかった。
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