夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
各国でバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形を補欠を含めてそれぞれ6人ずつ。
計24人の高校生が代表となって行う大会だ。

日本の場合は都道府県47から各泳法でそれぞれ2名ずつ、計8人を代表として選抜合宿を行った後に、正式な選抜メンバーを決定するらしい。
つまり我が県の代表として私と高岡くんはこの選抜合宿に行ける切符を手に入れたという事だ。
全部の泳ぎを足せば376人の高校生たちが日本全国からこの合宿に招集された。
でも選抜に選ばれるのは各泳法だと94人中でたったの6人だ。
狭き門である事は間違いはない。

でも。


「でも、高瀬さんと高岡くんなら大丈夫です」


私の気持ちを代弁したのは先生だった。

フワリとした笑顔。
優しい声のトーン。
だけど確信満ちた自信満々な顔。

能天気な考えだとか、気楽だとか。
この場にいる人は誰もそんな事は思わない。
だって私たちは先生の生徒だから。
先生の言葉は私たちを導く道しるべ。
それを信じて全力を出し切るしかないのだから。


「やってやる!
必ず選抜に選ばれて日本を優勝に導く!!」


元々やる気満々だった高岡くんは更に熱くなっていた。
勿論私だって負けていないけれど。


「全力を出してきます!」


今私が出来る事は選抜合宿を突破する為に練習を重ねる事だけだ。


「高瀬!!」

「高岡くん」


高岡くんが突き出してきた拳に自分の手を重ねて笑顔を浮かべた。
2人で選抜を勝ち取る。
絶対に。
新たな約束が私たちに刻み込まれた。
先輩たちの応援を胸に私たちは新たなステージへと進もうとしていた。
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