夢が繋げた未来～何度倒れても諦めないで～
「真希は何か部活入るの？」

「え……」


部活の話になり私の顔からは笑顔が消えていく。
そんな私を不思議に思ったのか由梨は首を傾げながら私を見ていた。


「真希？」

「あっ……入らないよ！由梨は入るの？」


急いで笑顔を作り質問をし返せば嬉しそうな由梨が目に入る。


「もちろん！アタシはバレー部に入るよ！
これでも結構上手いんだから！」


そう言いながらレシーブの真似をする由梨。
キラキラと輝いた笑顔を浮かべながらバレーの事を話す由梨はとても幸せそうだ。
それはまるで昔の自分を見ているみたいだった。
一瞬だけ胸がチクリと痛むが軽く頭を振り笑顔を浮かべた。
お喋りに夢中になっていた私たちを現実に戻すかの様に咳払いが響き渡った。


「高瀬さん、玉木さん。
HR中は静かにしてくださいね？」


優しい声で注意するのは先生だ。
先生に怒られてしまった。
初日からやらかしたな、そう思いながら頭を下げる。


「す……すみません」

「ごめんなさーい」


私と由梨が素直に謝れば先生はニコリと笑顔を浮かべてくれる。
その時、パチリと目が合ってしまった。


「えっ……」


小さく発せられた声。
それは紛れもなく先生のものだった。
私を見ながら大きく目を見開く先生。

どうしたのだろうか。
首を傾げながらも私は先生を見つめた。


「先生？」

「あ……いえ何でもありません」


クラスメートに話しかけられた先生は私から目を逸らした。
笑顔に戻っているし、さっきのは気のせいだったのかな。
そう自分に言い聞かせて前を向いた。
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