夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
「本当は俺の事が憎いんだろ?
友達を傷つけ、試合にも出さない。
お前の大切なものを奪った俺が……。
憎くて仕方ないんだろう?」


途端に怪しい笑みを浮かべる三井先生。
でも不思議と“怖い”という感情は無かった。
ただ少しだけ哀しそうに見えた。


「確かにレナを傷つけた事は許せないし、個人的理由で女子を大会に出さないのも納得できません」


私は三井先生を真っ直ぐと見る。


「でも……。
このまま逃げたくないから。
ちゃんと向き合いたいからっ……」


ぎゅっと拳を握りしめて口角を引き上げた。


「私は負けません。
貴方が間違っていると気付くまで私は三井先生と向き合い続けます」


最後まで力強く言い放つ。
私がここで諦めたって誰も得なんてしない。
だから私は自分の力で皆と夢を叶える事が出来る様に道を切り開く。
時間が掛かったとしても、絶対に諦めたくない。


「馬鹿じゃねぇ……?
どんなにお前が頑張っても俺は女は使わねぇ!!
俺がお前を使う事はない」


ガシッと私の両肩を掴む。
痛みが肩を支配するけど、でもここで引いたらいけない気がする。


「三井先生は……何でそんなに悲しそうな顔をするのですか?」

「黙れ……」

「女の人に恨みがあるんですか?」

「黙れ……」

「もし……恨みがあったとしても私たちとその人を一緒にしないで下さい!」

「黙れって言ってるだろう!」


急にベンチに押し倒される。
目の前には怖い顔をした三井先生が私を見下ろしていた。


「……俺を憎めよ……。
憎んで憎んで……俺をぶん殴れよ!」

「……そんな事はしません。
私は“約束”も“夢”も諦めたくないですから」


ニコリと笑えば三井先生は眉間にシワを寄せた。
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