夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
「じゃあ入ってください」

「失礼します」


数学準備室と書かれた部屋に入れば机や椅子、本棚やソファーが目に入る。
でもどれも1人分しかない。

あれ?こういう部屋って普通何人かで使う物じゃないの?
疑問に思っていれば先生は私の心を見透かした様に教えてくれる。


「この学校では教師1人1人に、こういったスペースが与えられるんですよ」

「……そうなんですか」


学校自体が大きいしおかしな話ではない。
クルクルと周りを見渡していれば先生はクスッと笑みを零しながらパイプ椅子を差し出す。


「まぁ座ってください」

「は……はい」


恥ずかしい。
顔に一気に熱が集まるのが分かった。
子供っぽいって思われただろうか。
心配になり先生を見るが、相変わらずの優しい笑顔を返されるだけだった。
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