夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
「あれ?でも何で水着?
マネージャーなんじゃ……」


不思議そうに首を傾げる先輩たち。
そんな先輩たちに先生が訂正をしてくれる。


「高瀬さんはマネージャーではなくて選手です。
少しお休みしていてブランクがありますが凄く有名な選手だったんですよ」


先生が言えば、『おおー』と先輩たちが騒ぎ出す。


「じゃあ、大会メンバーを争うライバルって事か!?」

「泳法は!?」


皆が私に注目をしている。
ライバルなんて、今の私にはそんな価値もないが。
心で苦笑いを浮かべながら口を開いた。


「自由形です」

「げっ!?俺と一緒かよ!?」

「ヤバいな」


自由形の選手と思われる人たちがオーバーに肩を落としていた。
でも、顔は嬉しそうに緩んでいる。
どうやら私を歓迎してくれているみたいだ。
ホッとしていれば聞きたくなかった言葉が私に向けられた。


「自由形の高瀬 真希って……。
“荒城中学の天才少女”じゃん!?」


私を知っているの?
一体どこまで?

いきなりの事で頭が真っ白になる。
この感じはいつものアレだ。
過去を思い出すときの前兆。

恐くなって、ギュッと目を瞑れば、誰かに優しく肩を抱きしめられた。
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