夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
「じゃあ皆さんは練習に戻ってください。
高瀬さんは、筋トレから始めましょう。
体力も戻さないといけませんしね」

「はい!!」


先生の指示の下、皆はそれぞれの場所へと移動をする。


「高瀬!」

「高岡くん?」


首を傾げれば、高岡くんは私に向かって拳を差し出してきた。
戸惑っていれば『ん』と何かを促す様に拳を突き出す。


「えっと……」


恐る恐る同じ様に拳を作り彼の前へと差し出す。


「お帰り」

「……あっ……」


コツンと拳同士がぶつかり、彼の満面な笑みが私に向けられた。


「……ただいま」


つられて私も笑えば彼は照れた様に何処かへ行ってしまう。
その後ろ姿を見ると心が温かくなるのが分かる。

ありがとう。
本当に。


「……高瀬さん、筋トレ始めましょう」

「はい!」


少しだけ低かった先生の声。
でも顔はいつもと同じ優しかった為、特に気にすることなく先生の元へと駆け寄った。
< 89 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop