青空の下で

公園の端っこにあるベンチに座る２人を見つめる様に、夕日が赤く燃えていた。


「今日は、わたしのワガママに付き合ってもらって、ありがとうございました」


「俺の方こそせっかくの休みなのに付き合わせちゃってごめんね」

「あの～」


話し出そうとしたら真剣な顔でこっちを向いた匠海さん…


「こんなこと言ったら楓ちゃん、彼氏に怒られちゃうかな？」


「わたし彼氏いません。好きな人はいるけど…」


「ずっと前にね駅で楓ちゃん見かけたんだ…楓ちゃんは分からないと思うけど…」


匠海さんはゆっくりとその時の状況を説明してくれた。


それはわたしがまだ高校に入学したばかりの頃、駅で困っていたお年寄りを助けていたと言う。


「あの笑顔が忘れられなくてね…」


そしてアノ財布事件が起きた…


あの時は匠海さんと匠磨さんが入れ替わって両方の彼女に会ったのだと言う、しかしどちらの彼女も入れ替わったことに気が付かなかった、ショックを受けた彼らは別れる決意をしたらしい…


「そうだったんですか…」