Reason



恥ずかしがっているわたしを見て

安心させる様に宿屋くんは

ふわっとした笑顔をしながら

こう返してくれた。



『そっかそっか笑

やっぱりみんなの勘違いだよな。

さっき話してて、

なんだ普通の子じゃんって。

藤巻の事今まで冷たい奴なのかな

とか思ってた自分がおかしいって

思ったよ笑』




瞼が少し熱くなった。

小さな1歩かもしれないけど、

ちょっとは他人と話せるんだって

自分で自分に感動した。



――――――――――――――――



きっと、絶対、

宿屋くんがあの時

わたしに話しかけてくれなかったら

きっと今のわたしは

居なかったんだろうな…



< 15 / 42 >

この作品をシェア

pagetop