Reason
「こういう作業をすれば、
助かる人も居るんだよ?
頑張ろ白石くん!!」
わたしの言葉に、うっ…と
うめき声を漏らし、
しぶしぶ作業を始めた。
白石くんは"他人のために"
って言葉に弱い。
人の役に立ちたくて、
生徒会に入ったらしい。
『ってか茜、俺のことは
龍也って呼べって言ったじゃねーか
生徒会入ってもう5ヶ月くらい経つぞ』
「無理です!!慣れない下の名前で
呼ぶのはハードル高いの!」
男の子を下の名前でなんて
呼んだことない。
宿屋くんでさえ、勇気出なくて
まだ下の名前で呼べてないのに…
『仲良くなるための1歩だぞ茜!
1回龍也って呼んでみれば
これからも言えるようになるって!
だから言ってみ?』