Reason
宿屋くんと龍也
次の日、わたしは朝電車のホームで
宿屋くんに会えず、1人で学校へ来た。
教室のドアを開けると、
同じクラスの男女数名と
待ってましたと言わんばかりの顔で
白石くんが居た。
わたしはゆっくりと
白石くんが座っている席へ近づき
目の前に立つ。
一呼吸して。。
「おは、よう…龍也」
小さな声だったけど、
精一杯出した白石くんの下の名前は
しっかり耳に届いていたみたいで
嬉しそうな、
でもどこか意地悪そうな笑顔で
『おはよう茜』
と、龍也は返した。
その時、教室のドアが開き
朝会えなかった宿屋くんが入ってきた。
宿屋くん…!!!
挨拶しようとわたしは宿屋くんへ近づく。