アイドル君と私
廉の想い
夜の本屋。
時刻は9:00。
15日な事に、咲は少しそわそわしていた。
それにプラス、咲にとって気がかりなのは、笹原。
接客をしている笹原の事を、つい見てしまう。
「………。」
笹原さん、いつも通りだな。
あれが大人っていうのかな?
そう思ってると、接客を終えた笹原が、カウンターにいた咲の元へ歩いてきた。
「……っ!」
思わずビクッとして、咲は視線をずらす。
と、目の前に笹原が立つ。
「星野っ」
「あっ……はい」
笹原に視線を上げる咲。
「注文伝票のファイルちょっと持ってくからっ」
「あっ……はい」
笹原はそれだけ言うと、カウンターを離れた。
笹原が離れてホッとする。
「はぁ―…ビックリした」
ダメだ…私、前より笹原さんに声かけられると…ビクッとしてる?
なんで?
心読まれそうだから…?