アイドル君と私
廉くん、
ズルイよ……その瞳
だって、私
その瞳に…弱いから…。
そして、咲は小さくうなづいた。
「…本当?」
「うん…私で良かったら…」
「ありがとうっ」
廉は満面の笑顔で咲にそう言うと、時計が9:30を回ってた事に気づく。
「あっ、じゃあ…長々ゴメンね?」
「ううんっ」
「じゃあ…ありがとうっ」
「はい、ありがとうございましたっ」
背を向けた廉にペコッとお辞儀をすると、咲は胸に手を当てた。
「ヤバイ……めっちゃドキドキいってる…」
どうしよう…?
OKしちゃったけど、2人で。
でも、お礼も含んでるし、なんたって友達だって分かってるし。
そんなに意識しないでいいよね?
…そう、自分に言い聞かせてるのかな私?
でも、
心のどこかで、誰かに対しての“罪悪感”を感じるのは、
なんでだろう…?