アイドル君と私
そして廉がお店から出て行って、咲も閉店に向けて商品整理に出ようとすると。
「星野っ」
「……っ!」
目の前に来た笹原に咲はビクッとする。
「笹原さん…」
「ずいぶんと長い接客だったな?」
「えっ!?あっ…ちょっと、私が担当したお客様で…」
「へぇ~?つうか、さっきのって…」
「えっ…?」
笹原は少し出入口の方を見たような気がした。
もしかして…?
バレた…?
「いや…いーや、閉店作業進めろよ?」
「あっ…はいっ」
笹原から離れると咲は雑誌コーナーに向かった。
良かった、
バレてないのかな…?
笹原さんに、もし私と廉くんが知り合いだってバレたら…何言われるか。
それに、笹原さんは感が鋭いから、また心の中を読まれたくない。