アイドル君と私
「確かな想い」
そして、4月。
先に休憩していた望の所へ、咲が入ってきた。
「お疲れ~望っ」
「あっ、咲お疲れ~ねぇねぇ!ちょっとこれいいの!」
「えっ?なに?」
望はそう言うと、自分が聞いていたイヤホンを咲に向けた。
「なに?音楽?」
「うん!Retの新曲!」
「えっ…?Retの新曲?」
「まぁ、私が好きなのはカップリングの方だけどね?」
「えっ?カップリング?」
「うんっ、それが今回廉が作詞しててね?」
「廉くんが?」
「そう!彼は時々Retの曲のアルバム曲とか作詞する時があるのよっ」
「へぇ…?そうなんだ?」
すごい…廉くんってそんな事もしてたの?
また私…知らなかったなぁ。
「ねえ!いい歌なの聞いてみて?」
「あっ…でも、今からご飯だし…」
「じゃあ置いてくから食べた後聞いてみなよ?」
「あ―…うん」
そう言って望は先に休憩室を出ていった。
咲は買ってきたサウンドイッチを広げながら、望が置いていった音楽プレーヤーを見る。