アイドル君と私
「…笹原さん…」
「……星野?」
入ってきたのは笹原だった。
咲は慌てて涙を拭った。
「あのっ…すみませんっ…」
どうしよう…?
ごまかす言葉が思いつかない。
すると、笹原は休憩室のカギを閉めて、咲の方へ近づいてきた。
「えっ…?カギ…?」
そして、咲の隣に座る。
「おまえは学習能力がねぇっ」
「…えっ!?」
と次の瞬間、 咲の頭と肩がそのまま笹原に抱かれる。
「……っ!?笹原さんっ!?」
咲が笹原から離れようとしても…笹原は力を入れていて離れない。
「うるせっ、ジタバタすんなっ」
「……っ…」
咲は、頭を強く笹原の胸に当てられた。
「いーから、落ち着くまでこうしてろ!」
「……えっ?」