アイドル君と私


「泣きたいなら……泣けばいいっ」


「…笹原さん」


「言ったろ?俺はおまえの全てを受け入れられるって…」


咲は笹原の腕の中で、視線を泳がせていると…望の音楽プレーヤーが目に入る。


そして…再びこぼれる涙。


「……ひっ……く…」


泣き崩れる咲を、笹原は黙って支えた。


そして、数分後。


「…っ…く、すみません…もう…大丈夫です」


そう言って咲が笹原から離れ、立ち上がろうとすると、笹原に手を掴まれる。


「…えっ…?」


すると笹原は、真剣な眼差しで咲を見る。


「星野…」


「…はい?」


「俺は、もうすぐこの店を離れる」


「…あっ…」


そっか…?
もうすぐで3ヶ月…。


「…はいっ」


「けど、俺はここを離れても…おまえとは離れたくないっ」


「……えっ?」


と、強く手を引かれ、咲は笹原の目の前に。


「星野っ……俺は、おまえが好きだっ…」



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